動物保護や愛護の仕事

動物保護にかかわる仕事をするために必要なこと

主にペットとなる動物の保護活動にもいろいろありますが、活動の主体はNPO法人などの保護団体です。その際にあると役立つ資格や職種には、以下のようなものがあります。

獣医師

● 国家資格が必要
獣医学部や獣医学科などを持つ、獣医系大学(国立・公立・私立あわせて日本に17校。2022年10月現在)に入学し、6年間学ぶ必要があります。
獣医系大学は医学部ほどではありませんが学費が高く、私立大学の場合は6年間で1000万円以上が必要となります。
そして、年に一度行われる国家資格を受験します。

● 奨学金について
獣医学科は学費が高額で、全国的にも少ないため自宅外通学になる場合も多くなります。経済的に支援が必要な場合は奨学金を利用することもできます。返済が必要な貸与型のほか、返済の必要がない給付型の奨学金もあります。

愛玩動物看護師

国家資格「愛玩動物看護師」誕生

令和元年6月に「愛玩動物看護師法」が制定され、2023年(令和5年)2月19日に第1回愛玩動物看護師国家試験が実施されました。

※出典:環境省Webサイトー報道発表資料令和4年5月24日(https://www.env.go.jp/press/111077.html)

受験資格が必要となるため、既存の民間資格を取得されている方や在学中の方、今後この資格取得を目指している方は、農林水産省および環境省から発表されている内容をご覧ください。経過処置や必要となるカリキュラム、業務範囲など、詳細情報も両省のWebサイトをご覧ください。

※出典:農林水産省Webサイト-愛玩動物看護師(https://www.maff.go.jp/j/syouan/tikusui/doubutsu_kango/index.html)
※出典:一般財団法人動物看護師統一認定機構(https://www.ccrvn.jp/index.html)

ペット栄養管理士

● 日本ペット栄養学会が主催する認定試験に合格し、同学会の会員に登録
ペット栄養管理士とは、ペットフード、ペット基礎栄養学、ペット臨床栄養学(衛生学含む)など、ペットの栄養に関する正しい知識を身につけた指導者のことです。

動物系のコースを持つ大学や専門学校、通信講座で受験資格を得ることができます。
取得にかかる受験費用はペット栄養管理士養成講習会を受講するためにかかる費用は初回/10,500円(テキスト代込)、2受講目以降/6,000円
ペット栄養管理士認定試験は年に3回。受験するためにかかる費用は10,000円です。

● ペット栄養管理士の受験資格取得に必要な事

  1. ペット栄養管理士認定委員会が主催する「ペット栄養管理士養成講習会(A・B・Cの3教程)」のすべての教程を修了した者。
  2. 大学において獣医学・畜産学(応用動物学・資源動物学・動物生産学・応用生命科学・応用生物科学・生物機能科学・生物資源科学)・農芸化学などのいずれかの課程を修めた者。
  3. 上記と同等、もしくはそれ以上の資格を有すると認定された者 。

※出典:一般社団法人日本ペット栄養学会(https://www.jspan.net/)

トリマー

● 民間のトリマー検定の資格があるとよい
トリマーとは、ペットの専用の美容師。健康管理やしつけ、手入れのアドバイスをするのも仕事のひとつです。
特別な資格は必要ありませんが、トリマーはペットの美容の知識や技術だけでなく、動物の栄養や病気、飼い方などを知っておく必要があるため、資格があるに越したことはありません。
専門学校や通信講座で資格を取得することができます。

ドッグトレーナー

● 大学や専門学校、通信講座などで知識やスキルを身につけ民間の資格を取得する
ドッグトレーナーとは、犬のしつけを行う専門家のことです。
ドッグトレーナーになるには、ドッグトレーナーの専門学校や通信講座で、何種類かある民間の資格を取得することができます。
多くの専門学校は2年制となっており、その間にドッグトレーナーに必要な知識を身に付けたり、実際に犬のしつけや訓練の実習を行ったりします。

訓練士

● 体力や、忍耐力の強い人物でないと、なかなか訓練士の仕事にはつくのは難しい
訓練士とは、犬のしつけを行う専門家のことです。より専門性の高い警察犬や盲導犬などの訓練を行います。
飼い犬のしつけなどから、警察犬訓練、盲導犬訓練、聴導犬訓練、災害救助犬訓練、介護犬訓練など、様々な種類があります。
日本警察犬協会が経営する訓練所に入所し、公認訓練士の資格を目指して経験を積む方法も挙げられます。
盲導犬訓練士になりたい場合は、全国の盲導犬育成施設に所属し、訓練所で経験を積んで一人前になることを目指します。
他にも、それぞれの犬の訓練士になることを目的とする私設の訓練学校があります。

ドッグライフカウンセラー

● 人と犬の良い関係を育むことが目的の資格
ドッグライフカウンセラーは、健康管理や正しい飼育知識、近隣との上手なマナーの守り方などを飼い主さんの立場に立ってアドバイスをします。
ドッグライフカウンセラーの資格は、社会動物環境整備協会(SES)が発行する教本「素晴らしき家族」の中より、犬の歴史や種類と特徴から躾の方法や避妊の仕方等が出題され、合格するとスキルアップのための「実力向上セミナー」や、講座を受けることができます。受験料は10,000円です(2022年現在)。

※出典:特定非営利活動法人 社会動物環境整備協会(http://www.sesj.org/index.html)

愛玩動物飼養管理士

● ペットの飼い主から動物関連の仕事に就きたい人まで、幅広く対象
愛玩動物飼養管理士は愛玩動物(ペット)の愛護や飼養管理について体系的に学ぶことができます。
愛玩動物飼養管理士(1級、2級)は、公益社団法人日本愛玩動物協会により認定される資格です。犬や猫だけでなく、ウサギや鳥類も対象にしています。ペットを飼養するための必要な知識やしつけ、動物関連の法令などを通信教育で学びます。管理士の養成制度を採用している専門学校などでも学ぶことができます。
第一種動物取扱業の登録申請に必要な資格要件の一つでもあります。

※出典:公益社団法人日本愛玩動物協会「愛玩動物飼養管理士とは」(https://www.jpc.or.jp/kanrishi/)

ペットシッター

● 特別な資格はないが、飼い主から信頼されることが必要
ペットシッターは、飼い主に替わって日常的なペットの世話を行う仕事です。
内容は散歩や食事、トイレの掃除など多岐にわたる可能性があります。訓練士やトリマー、看護の資格や経験があれば、それら得意なことをプラス、アピールして活躍することも可能です。
ペットホテルなどの預かり施設との大きな違いは、留守中の飼い主の自宅に訪問し、世話を行うということです。ペットシッターとしてのスキルはもちろんのこと、依頼主からの信頼を得るということがとても重要です。
ペットシッターの知識が得られる講座や資格として、ビジネス教育連盟ペットシッタースクールの「認定ペットシッター」と、NPO法人日本ペットシッター協会の「ペットシッター士」があります。

動物保護の団体について

現在、各都道府県に保健所と連携した動物愛護センターができています。まずはじめに知っていただきたいのが、いわゆる『保健所』と『動物愛護センター』の違いです。

保健所と動物愛護センターの違いは?

保健所とは、各市町村に存在しており、主に収容犬の情報や、譲渡募集は出すがそれ以上の事(犬のケアや訓練、譲渡会など)はしない施設です。
保健所で保護されている動物は、一定期間保護すると、各都道府県にある動物保護施設「動物愛護センター」に移されます。
ここは、保健所から移送されてきた動物たちを一定期間保護したのち、期間を過ぎた動物たちを処分する施設でもあります。
動物愛護センターでは、新しい飼い主を探す譲渡会や、犬のしつけ相談やしつけ教室などが行われています。
現在、「殺処分ゼロ」を掲げた取り組みが行われているセンターが多くあります。
動物保護団体は、一般的にそのような行政施設から処分対象となる動物を引き取り、以下のような方法で保護活動を行っています。

  1. 新しい飼い主さんを探す譲渡会を行なう
  2. 保護犬・猫のいる保護動物カフェを運営し、地域住民に動物とふれあう場を提供すると同時に飼い主探しを行う
  3. 野良猫たちが増えない為に、不妊手術を実施して、元の場所に帰す活動(TNR)を行う
  4. 終生飼養の徹底を行う

民間の保護団体は様々な形態で活動されています

民間の動物保護団体には、法人格をもたずにボランティア(任意団体)として活動したり、以下のような法人組織として活動しているところがあります。
活動の形は様々ですが、どの団体にも共通する目的は「不幸な動物たちを減らそう」という想いです。

  • 非営利型一般社団法人・・・利益を得ることを主たる目的とせずに活動を行う法人。
  • NPO(特定非営利活動法人)・・・「特定非営利活動法人」の略。(ボランティア活動をはじめとする市民の自由な社会貢献活動としての特定非営利活動の健全な発展を促進することを目的)
  • 認定NPO法人(認定特定非営利活動法人)・・・寄付金控除が適用されるNPO法人。
  • 一般社団法人団体・・・一般社団法人とは…設立時社員が2人以上いれば設立でき、事業内容に公益性がなくても設立できる団体。
  • 公益法人団体・・・公益社団法人とは…公益を目的とする23の事業に限定され、一般社団法人設立登記後に、行政庁に対して認定申請を行い、認定され他団体。社会的にとても高い信頼度を得ることができ、税制の優遇措置を受けることができる。

犬や猫の保護施設を設立したいとき

保護猫・犬カフェや保護シェルターを自ら設立したい場合は、自治体や保健所のホームページを参考にしたり、直接相談を行って下さい。非営利で行うのか、動物の種類や保護頭数、保護の形態(保管、訓練、譲渡など)により、「動物取扱業」に該当する場合があります。

参考:さいたま市動物愛護ふれあいセンターのホームページには、「動物取扱業」について詳しく掲載されています。( さいたま市動物愛護ふれあいセンター -申請、届出-動物取扱業)

「動物取扱業」に該当する場合は、さらに営利性のある「第一種動物取扱業」、非営利性の「第二種動物取扱業」に分かれます。第一種は登録制、第二種は届出制となっており、それぞれ細かく要件が設定されています。非営利だと考えていても、運営の方法によっては営利性があると判断される場合もあるため、必ず保健所や自治体の動物愛護センター、役所などへ相談してください。

保護施設を運営する場合の相談や資格などについて、当センターへお問い合わせを頂くことがありますが、当センターは民間団体のため、判断できる立場ではありません
自治体や保健所へお問い合わせください。

ご寄付のお願い

保護犬・保護猫の理解や普及を目的とした「ピンクゴールドリボン運動」を行っています。
皆様からのご寄付は、全国の動物保護団体を支援するために利用させていただきます。
啓発ツールとして、一口1000円のご寄付につきピンクゴールドリボンのピンバッジを1個進呈いたします。
ピンバッジを身に付けていただき、運動の普及へご協力をお願いいたします。
SNSへの投稿もお待ちしております!
#ピンクゴールドリボン運動

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