人と動物の高齢化

人と動物の高齢化

人も動物も年齢を重ねることで今までになかった問題が出てきます。
高齢による病気や体力低下、退職後の生きがいなど様々です。
高齢化により、動物を飼育している人もこれから飼育を考えている人も考えなければならない問題もありますが、動物と生活を共にすることで心身へ良い影響を与えることもあります。

人の高齢化

人の高齢化による一般的な問題や、動物を飼育する上で次のような問題があります。

  • 病気や入院時にペットの世話ができなくなる
  • 体力低下のため犬の散歩や日常の世話ができなくなる
  • もしもの時にペットの世話を頼める人がいない
  • 退職後に生きがいがない
  • 認知症や体力低下を予防したい

このような問題を解決するための方法を見ていきましょう。

動物を託す

◆信託契約や委託契約を利用する

もしもの時にペットの世話を頼める相手がいないため、ペットの行く末が心配。このような時に備えて、飼い主(受託者)が信託会社や管理会社(受託者)と信託、委託契約を結ぶ方法があります。もしもの時は信託・管理会社が新しい飼い主や保護施設(受益者)へ動物を託します。財産や保険金を信託・保険会社が管理し、次の飼い主へ飼育費用として支払います。信託・委託会社は動物を託した施設がきちんと世話を行っているか監視します。
信託や管理を行っている団体は、信託会社、保険会社、個人の行政書士や動物の保護施設など様々な形態があります。実績があり信頼できる相手と契約を結ぶこと、飼育してもらう施設も信頼できるかなど、事前に法律の専門家に相談したり、評判を調べたりしましょう。

◆遺贈や贈与契約を結ぶ

動物に財産を残すことはできませんが、世話を頼む人に飼育を条件として財産を相続させたり、贈与することができます。契約については法律の専門家に相談する方が安心です。最近では、ペットを専門に扱う法律事務所もあります。

◆負担付遺贈

「飼っている動物の世話を最後まで行ってください」という条件を付け、遺言により特定の人へ財産を残す行為です。ただし、遺贈者の一方的な行為であり受贈者の承認は必要ではありません。そのため、受贈者による飼育放棄などのリスクが考えられます。事前に受贈者の理解が得られることと、遺言の執行を確実に実行、監視してもらえる執行人が存在することが必要です。

◆負担付死因贈与

「動物の世話を最後まで行う」という条件を付け、現在の飼い主から新しい飼い主へ財産を贈与する契約を結びます。負担付遺贈と異なり、事前に双方の合意が必要となります。また、負担付死因贈与は世話を頼む時期について、「長期入院したときから」、「高齢者施設へ入居したときから」という条件にすることもできます。
新しい飼い主が飼育義務を果たしていない場合は、贈与は無効となります。

動物と生涯を共にする

◆動物と同居できる高齢者施設を利用する

飼育している動物と一緒に入居できる老人ホームや高齢者専用賃貸住宅もありますが、数や地域に制限があるのが現状です。飼育できる動物も小型動物(金魚や小動物)、小型犬など制限を設けているところや、もしもの時には動物を最後まで世話してもらえる施設もあります。入居を検討する場合は、早い段階から施設の検索や費用の準備などを行いましょう。

◆保護動物を飼育している高齢者施設を利用する

高齢者施設の中には、保護された犬や猫を飼育しているところもあります。入居者が動物と触れ合うことでリハビリやセラピー効果が得られたり、施設で働く職員の方も動物に癒されるようです。施設での単調な生活に活力を与え、他の入居者や職員とのコミュニケーションにも役立っているようです。個人では飼育できないけれど、老後を動物と過ごしたいと考えている方はこのような施設を選択することもできます。

ボランティアに参加する

定年退職後に生きがいがないという問題があります。動物を飼いたいけれど、年齢のこともあるし、たまには旅行にも行きたいから世話ができない。このように世話をする地震がない場合などは、動物保護施設でボランティア活動をするという選択肢もあります。仕事で培ってきた経験や知識が活かせる場合もあるはずです。

◆保護犬、保護猫の施設でボランティアをする

自治体の動物愛護センターのほかに、民間団体や個人で保護活動を行っている方がいます。多くの民間団体では、寄付やボランティア活動で成り立っています。
ボランティアの活動には日常の世話、散歩、譲渡先への送迎や広報活動など、施設によって異なります。お近くの保護団体や保護カフェ等でボランティアを募集していないか確認してみましょう。

◆保護された動物を一時的に預かる

保健所に収容された動物の処分を免れるために、民間団体や個人の保護活動の方が動物を引き取っています。譲渡先が見つかるまで施設で保護されますが、収容できる数には限りがあります。
施設に空きが出るまでや譲渡先が見つかるまでの間、一時的に自宅で預かり飼育します。自宅で飼育可能なこと、ご家族の理解が得られることなど条件もあります。何年も飼うことは難しい場合や、以前飼育していたペットの道具がある場合などは、このような一時預かりという活動もあります。
その他、災害時に避難をしなければならなくなったご家庭の動物を一時的に預かったり、授乳が必要な子猫・犬の世話をするミルクボランティアもあります。自治体の動物愛護センターや民間保護団体などで募集されています。

◆保護犬、保護猫カフェを利用する

動物を保護している民間団体では、保護した犬や猫と触れ合えるカフェを併設されているところがあります。譲渡希望者とのマッチングを行ったり、カフェの収入で施設を運営されています。ウォーキングを兼ねてお近くの保護カフェを訪れ、犬や猫と触れ合ってみてはいかがでしょうか。カフェを利用することで施設を支えることにもつながり、譲渡前に実際に動物と触れ合うことができます。

動物の高齢化

ペットの平均寿命が延びるとともに、高齢化による人と同じような問題が起きています。

  • 高齢による病気や体力低下
  • 日常生活や散歩での日常的なサポートや専門知識が必要になる

特に大型犬を飼う前には、介護が必要になった時に対応できるかよく考えましょう。
介護や特別なケアが必要になったときにサポートを依頼できる施設も増えています。

老犬、老猫ホームを利用する

認知症や体力低下などの介護サポートを行っている施設が全国的に増えています。サービス内容は人が利用する施設とほぼ同じです。施設により受け入れ可能な条件が異なります。動物の大きさ、種類、サポート内容など、条件をよく確認しましょう。施設によっては自宅へシッターを派遣していたり、一般の方でも利用できるドッグランを併設しているところもあります。

注意すること

これらの制度や施設を利用する前に、以下の点に注意しましょう。

  • 新しい動物を迎える前に、生涯世話をする覚悟で引き取る
  • 動物を託す場合、サポート施設を利用する場合は、事前に預ける施設などを見学する
  • 信託や遺贈の契約は信頼できる法律の専門家に依頼する

ペットとのお別れ

悲しいことですが、いつかはお別れの日がやってきます。
埋葬の方法は様々ですが、こちらでは動物に対応している公営の火葬場の情報をまとめています。個別火葬ではお骨を持ち帰ることが可能です。まだ対応しているところが少なく、住民の利用に限られている場合もあります。

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